Kuuta

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君にのKuutaのレビュー・感想・評価

4.4
シン・エヴァンゲリオン公開初日、朝7時の回に向けてバルト9で待機中。豪快にパンフ読んでる人もいる…。

この週末はEOEを見返し、貞本版を再読し、(勢い余って)スキゾ、パラノエヴァンゲリオンも読み返した。

「今の自分が絶対じゃないわ。後で間違いに気付き、後悔する。私はその繰り返しだった。ぬか喜びと自己嫌悪を重ねるだけ。でも、その度に前に進めた気がする」

EOEのこの場面が、エヴァで一番好きだ。ミサトだって完璧な大人ではない。それでもシンジのために、世界のために絞り出した言葉。エヴァのテーマが集約されていると思う。

セル画が動く楽しさ、スタイリッシュな編集、画面の情報量に圧倒される快楽は、理屈でなく体に突き刺さる。庵野氏のスタイルの良さが一番出ている映画だと思う。

人が生きた証は、エヴァに宿る人の心として永遠に残る。ユイは、それがエヴァを作った理由だと説明する。地球が無くなったとしてもその人の心は生き続ける。

「トップをねらえ!」最終話のアレンジにも感じるが、「神(ヤマトやガンダム)のコピー」に自分の魂を吹き込み、永遠に残るものを作りたいとの願いは、庵野氏の本音ではないだろうか。

「スキゾ・エヴァンゲリオン」で庵野氏は、自分が生きている限りエヴァの「物語」は終わらないと語っている。それでも番組を終わらせるために「ストーリー」が必要になると。

EOE終盤、レイから投げかけられる「その手は何のためにあるの?」との問いに、シンジくんは血と精液(リビドー)、最後に首絞めという形で回答してみせる。

シンエヴァのストーリーには、どんな答えが待っているのだろうか。
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