イチロヲ

大日本殺し屋伝のイチロヲのレビュー・感想・評価

大日本殺し屋伝(1965年製作の映画)
3.5
正体不明の裏組織に狙われている町の有力者が、エキセントリックな10人の殺し屋に捜索と護衛を依頼する。当時の人気喜劇役者が総出演している、アクション・コメディ。

クレジットされている俳優諸氏の名前を眺めただけで、即座にお腹いっぱいになってしまう作品。一癖も二癖もある殺し屋が、妙ちきりんなアンサンブルを繰り広げていく、ドタバタ喜劇に振り切っている。

シチュエーション移動が早いため、撮影当時のあらゆる風俗をじっくりと観察することが可能。日活スタジオの規模の大きさは言わずもがな。各テナントに「射的、パチンコ、ビリヤード、トルコ風呂」が入居している雑居ビルが面白すぎる。

中盤に入ると、敵対者となる新たな殺し屋が登場。「大村崑 対 由利徹」「宍戸錠 対 郷鍈治」というドリーム・カードが実現する。エロ要員が不在となっているため、華がないけれども、「自分の芸を売りにしていた時代」のエネルギーを感じ取ることができる。
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