Shirorin

夜のShirorinのレビュー・感想・評価

(1961年製作の映画)
3.5
作家のジョヴァンニ(マルチェロ・マストロヤンニ)と妻リディア(ジャンヌ・モロー)は、病床の友人トマゾを見舞う。
幸福そうに見えた夫婦だが、夫婦の仲は冷めて取り返しがきかないことに気付いていく…というストーリー。


本当に男ってどうしようもないな。

確かにマルチェロ・マストロヤンニは甘いマスクでカッコいい。

だけど、病院で精神病の女性に絡まれた時もまんざらでもなさそうだし、妻が横にいるのにナイトクラブで下着みたいな格好で踊る黒人をヤラシイ顔つきで見ていたり、妻と一緒に行ったパーティでは、妻を置いて若い娘を追いかけ、キスしたりしちゃって。

妻の苦々しいような顔に全く気づいていない。妻は冷静になろうと、一人で散歩して考えたり、場所や雰囲気を変えてみたりしているのに。

妻の気持ちがどんどん冷めて、キスしてるのも実は見てるのに、嫉妬の感情も湧かない。こうなったら、完全に終わり。

奥さんが情熱的なラブレターを夫に読み聞かせる。「誰が書いたの?」て、自分で書いたことすら覚えてない。

もうムリだわ。

それなのに、男は強引に…
失うと思うと惜しくなるのか?


口角が下がったままの一切笑わないジャンヌ・モローが冷えっ冷えの妻にぴったりだった。

モニカ・ヴィッティは『太陽はひとりぼっち』と違って、富豪の娘らしい我儘さが可愛く魅力的でした。
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