アボカド

NINEのアボカドのレビュー・感想・評価

NINE(2009年製作の映画)
5.0
豪華なキャストと演出で音楽が素晴らしく何度も見たくなる映画です
オープニングでの女性キャストの登場に鳥肌が立ちます
現実と幻想を行ったり来たり
ミュージカル映画が好きな人には是非見て欲しいです

ストーリーでは主人公グイドの映画づくりへの葛藤が描かれています
映画監督としての評価を得ながらも精神的な幼さが目立ちます
自分勝手な言動で周りの人を振り回しながらも彼は自分自身と映画にしか興味が向いていません
彼女たちへの罪悪感もとても表面的なものに見え、自分を哀れむことに酔っているようにさえ見えます

それでも彼の周りにたくさんの女性が現れるのは彼の持つ絶対的であり圧倒的な才能を感じているからです
性格や容姿ではなく才能に恋に落ちることができるのは女性だけ、男性にその感覚はありません
しかしその才能を発揮できず自分さえ見失ってしまった彼にもはや魅力は感じられなくなるのです
彼の自分勝手な性格ゆえに女性たちが愛想を尽かしたわけではないのです
ラストのシーンで再びメガフォンを持ったグイドのもとへ女性たちが集まってくるのがその証拠ではないでしょうか

まるで子どものような感性でどこまでも貪欲に映画づくりへ没頭する彼こそが本当の姿であり、彼のつくる映画に全ての人が魅了されるのです
アボカド

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