ひろゆき

マルホランド・ドライブのひろゆきのレビュー・感想・評価

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)
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銀幕短評(#488)

「マルホランド・ドライブ」
2001年、アメリカ。2時間26分。

総合評価 マイナス18点。(満点はプラスの100です)

なんじゃこりゃ。


(おまけ)

長編おまけ「コーヒーについて」の習作6。

第6章 焙煎について 


焙煎(ばいせん)とは、コーヒーの生豆(きまめ、なままめ)を加熱して煎(い)ることをいいます。コーヒー生豆が含む水分をとばして、抽出に適したコーヒー粉をつくるために、焙煎は欠かせません。


焙煎機について
焙煎するには、そのための専用の焙煎機を使います(家庭用のちいさな道具もいろいろあるようですが、わたしは業務用の焙煎機にしか興味がありません)。熱源はガスです。おもなメーカーとしては、フジローヤル(日本)、ラッキー(日本)、プロバット(独)、ギーセン(オランダ)、ディードリッヒ(米)、ローリング(米)などが有名どころです。また同じメーカー、モデルでも、焙煎量に応じて、1㎏、3㎏、5㎏、10㎏、15㎏焙煎などといったサイズのちがいがあります。大きな釜で少量の豆を煎ることは不効率ですし(温度の微調整もむずかしくなる)、ちいさなマシンでは煎る量がかぎられます。したがって、各コーヒー屋さんは自店の需要(喫茶客数、豆売り量)に合った、また焙煎する豆の種類数に合った(多品種をやく場合は、一回のロットは少量になりますね)サイズの焙煎機を導入することとなります。加熱方式としては熱風式、半熱風式、直火(ちょっか)式があるのですが、やや専門的となるため ここでは割愛します。


加熱について
生豆はとても固いのですが、多量の水分を含んでいます。これを200℃くらいまでの加熱で そのほとんどを飛ばします。まず焙煎機を15分くらい予熱し、豆を投入した時の温度低下と熱ムラを防ぎます。生豆を投入する量はなかなかむずかしいところです。たとえば5㎏の釜で煎る量は、せいぜい4㎏程度にとどめることが無難です。やはり熱まわりのムラを避ける必要があるからです。焙煎機の加熱方式のくわしい説明は省略しましたが、内部構造としては穴の開いた金属ドラムに生豆を入れて それを回転させながら加熱するのです。このドラムを満タンにしては、熱のとおりがわるくなります。


ハゼについて
ポップコーン(はトウモロコシの実ですが)を火にかけるとポンポンとはぜるように、コーヒーの豆(こっちは種子ですね)はパチパチとはぜます。それも加熱の過程で2回。一回目を1ハゼといい、二回目にくるものを2ハゼといいます。どこまで煎るかは、コーヒーの味を大きく左右します。焙煎するひとはこのハゼの音をまずは頼りに 焙煎の度合いを判断します。


焙煎度合いについて
コーヒーの詳しい本をみると、イタリアンローストだのフレンチローストだのシナモンローストだの、8段階くらいの煎り加減があると よく書いていますが、わたしにいわせるとバカげた話です。じっさいのところ、浅煎り、中煎り(ちゅういり)、深煎りの3つがベースであり、そのあいだを取って、中浅(ちゅうあさ)、中深(ちゅうぶか)の全5段階とすることが現実的であり、わたしが通うコーヒー屋さんの店主もだいたい同意見です。ここで大切になるのがハゼの合図で、浅煎りは1ハゼを超えたところ。中浅は2ハゼの前、中煎り 中深煎りは2ハゼあたり、深煎りは2ハゼを超えたところで焙煎を止めます。2ハゼ前後のタイミングは非常にセンシティブで、秒単位で火の入り方が変化します。焙煎機の中心に備えている専用のサンプル・スプーンで 何度もすくって目視で豆の状態を確かめながら、煎り止めと釜出しのタイミングを探ります。


パソコン焙煎について
店によっては、焙煎の工程をコンピューター(そういう機能のある焙煎機に PCを直結します)でコントロールします。予熱の温度、豆の量に応じた投入タイミング、あらかじめ計算しセットされた機内温度上昇カーブに沿った時間と加熱、釜出しの頃合いを。この利用をどう受け止めるかは、ひとによってさまざまかもしれません。品質が一定して便利だ、過去のベスト焙煎を記録して再現すればまちがいがすくない。そう考えるひとも少なくないかもしれない。しかしわたしはそうは思いません。たとえるなら、大工職人がのこぎりをうまく使えずに、チェーンソーを使うようなものだと思います。技術がないことをみずから証明していることにほかなりません。じっさい、店主は不在で アルバイトのように見える男の子おんなの子に焙煎を任せているような店が多いのです。すくなくともそういう行為を目で見て楽しくないし、やっている本人も同様ではないか、とわたしは考えます。


手回し焙煎機について
数はすくないですが、300g煎り程度の手回し焙煎機を使っておられるコーヒー屋さんがあります。一度に煎る量はせいぜい150g程度でしょうか。「手間がかかってなかなかたいへんなんですよー」と一様におっしゃいますが、職人の心意気を感じます。パソコン焙煎とは対極にある営為です。


焙煎の重要性について
これはわたしの感覚ですが(かつ おいしいコーヒー屋さんの店主の多くが だいたい似た数字をあげられますが)、完成品であるコーヒーのおいしさを つかさどるファクターが、生豆の品質、焙煎の力量、抽出の技術の三つだと もし区分するなら、
 生豆が90%、焙煎が7%、抽出が3%
くらいの割合で その重要性を になっていると思います。高品質の生豆を途切れなく調達し、計算しつくされた温度管理で豆を煎り、神経のゆきわたった抽出でコーヒーをサーブする。これがわたしが何度も足を運ぶコーヒー屋さんたちです。


ちょっと長くなりましたね。映画がつまらないので、ついチカラが入りました。


[全24章のだいたいの目次]
(数字は習作連載としての既出回次です。先は長いなあ)

序章 コーヒーの魅力について
1 木の栽培から飲むまでの概要
2 コーヒーベルトと産地について
豆の種類について
精製方法について
エイジング、保存について
6 焙煎について
カッピングについて
3 抽出方法について
豆の挽き目について
抽出道具について
4 味覚と香り、その経時変化について
コーヒーカップについて
アレンジメニューについて
ラテアートについて
バリスタについて
5 カフェインの効能(薬理)について
店の作り、スタイルについて
女の子のくどきについて
コーヒー名店について
海外コーヒー事情
コンビニコーヒーについて
コーヒーをあつかう映画
終章 あすを見つめて

の予定です。お楽しみに。
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