デヴィッド・リンチの監督した長編映画とドラマ『ツイン・ピークス』を全シリーズ観た上でかれこれ4度目の再鑑賞。きっとこれからも何度も観るであろうリンチ映画で一番好きな作品。
小人や不気味な老人やヒステリックな妻などのリンチ作品らしいキャラクター、電話や車や劇場やホテルなどのリンチ作品アイテムや場所が沢山出てくる。
そういったリンチワールドが全開でありながら、そこで描かれる愛憎入り乱れるドラマのエモーショナルさはリンチ作品の中でも群を抜いてる。
特にクラブシレンシオでの一連のシーンなんかは顕著で、何度観てもあそこでもらい泣きしてしまう位自分の泣きのツボ。
また、何よりナオミ・ワッツが素晴らしいというか凄まじ過ぎて初めて観た時は前半と後半で役者変わったのかと思った程。
不思議で悲しい名作。
以下ネタバレあり
凄く雑に言ってしまえば夢オチ的な話でだが、その夢(というか願望)を生み出した主人公の様々な感情がとても切なく、夢から覚めてからのパートはもう観てられない位悲しい。
と言っても前半の夢パートは間抜けな殺し屋やコーヒー吐き出すおっさんや妻の浮気相手にボコられる映画監督とか結構コミカル。…それも主人公の願望の表れと思うと笑える様な痛々しい様な。
バッドエンド版『ラ・ラ・ランド』って感じでもあり。
