〜その道の先に待っているのは、ハリウッドの夢か絶望か〜
記憶喪失から始まるストーリーがシンプルに面白いし、映像と音がやはり独特。観客を意識した映画設計で、その中に独自の表現を詰め込む。このバランス感覚がリンチすごい。
とにかくリンチの創造する映像が自分の感性とドンピシャで、カメラの動きとか画面の陰影とか美術、小道具の色彩、家具の配置に至るまで好きが止まらない。
そして、本作の魔力は主演のナオミ・ワッツから最も発せられていると言っても過言ではない。耳元でクルンッとなるブロンドヘアー、ツンとした鼻、そして快演からの怪演…。本作で一躍スターになったのも納得やし、これは好きになる他ないよなあ。