とぽとぽ

U・ボートのとぽとぽのレビュー・感想・評価

U・ボート(1981年製作の映画)
4.5
名作には理由がある。ディレクターズカット版は200分超(3時間半)とミニシリーズにできそうなほど見るのに膨大な体力を有するが一見の価値あり。張り詰めたような手に汗握る緊張感が凄く、観客も潜水艦に乗せてしまう。海底での日常の中で突如警報が鳴り響き鬼気迫ったりする中、言うなら閉所恐怖症的で野郎共の汗や笑い顔や絆が地味な色に囲まれて克明に刻まれている。途中遠くから聞こえる音無き音と顔の抜きだけで繋いでいく所とか凄いし見入ること請け合い。本気な男たちの生き様に痺れる、胸打たれるし水中戦の最高傑作。第二次世界大戦時におけるドイツの実際の戦艦を舞台にしたこの超大作には巨匠ウォルフガング・ペーターゼン監督の本気が刻み込まれているし、アカデミー賞が示すように技術的に優れた作品である。世紀末にジェームズ・キャメロンが周りの心配を余所に自身の全てを懸けるような大博打の『タイタニック』で大勝利したように、本作もまた強迫観念の綿密なリサーチの賜物であり大迫力の映画的勝利である。今なお語り継がれるべき血の通った神聖なるランドマークで驚異的。
「私は老人になった気分だ、子供十字軍だからな」乗組員は血気盛んな若者ばかり。ペーターゼン監督が円熟味のあるいぶし銀な役者たちの魅力を巧みに使うのはこの先も引き継がれるところ(ex.『エアフォース・ワン』『ザ・シークレットサービス』→そして何故かどっちも米大統領に関する話と凄くアメリカ的。笑)。

I can't fuck.
「味方はヘマばかりだ」「Uボートが好きだ、帆船もだ」

TOMATOMETER98 AUDIENCE96
Taut, breathtakingly thrilling, and devastatingly intelligent, Das Boot is one of the greatest war films ever made.
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