ロータル=ギュンター・ブーフハイム原作の小説を後に「ネバーエンディングストーリー」「トロイ」などを監督するウォルフガング・ペーターセンが映画化。
第2次世界大戦、ナチス・ドイツの占領下にあったフランス大西洋岸のラ・ロシェル港から「U96」が出航する。搭乗した船員達の任務は大西洋を航行する連合国護送船団への攻撃であった。果たして彼らは任務を果たして母国の土を踏めるのか。
ディレクターズカット版を見ました。
210分という長尺の上映時間を感じさせないほどの常に暗澹として緊張感が立ち込める展開。絵的な動きがないながら、乗組員の顔の表情と戦艦がきしむ金属音、ソナーの音などでこれほどまでに緊張感が持続するとは思えませんでした。
そして何よりもBGMが素晴らしい。聞いたことがあると思ったら「スポーツマン№1決定戦」のオープニングでよく流れているBGMでしたね。これがオリジナルだったんですか。船が海上に上昇するシーンや、荒波を突破するシーンなどで見事にかかってくるので、そこが素晴らしかったですね。勇壮な曲であったと思います。
そして何よりも俳優さんたちの演技が神がかっていましたね。相手の駆逐艦との艦内で駆け引きするシーンの彼らの迫真の演技は素晴らしいです。挙動不審っぷりや目のきょどり方などから、彼らの言葉では言い尽くせないほどの精神の乱れを表現していましたね。そこがこの映画最大級の醍醐味であると思いました。
艦内という閉鎖的な空間で繰り広げられる人間模様もとても良かったです。浸水してからの排水までの流れなども、動きが非常に無駄がなく流石の船員と感じさせましたね。
沈没間近からの復活の流れも、とても熱くてよかったです。そして有名なあのラスト…「上げて落とす」構造大好きです!もうここまで重厚で熱くて後味悪い展開入れたら文句なく満点ですわ。
潜水艦映画の金字塔。素晴らしい映画でした。観れて良かったです。