灼熱の太陽が熱したアスファルトは、深夜でも裸足で歩けない暑いパリ。
ハレー彗星が地球に接近しているせいなのか…
体内にゆっくり流れる静かなる血が、沸々と煮えたぎる熱き感情。
孤独感に苛まれる〝アレックス〟は新たな恋を見つけ、新たにやるべき事を見つける。
カラカラに枯渇する肉体に失いかけた魂の血が注がれる、例えそれが汚れた血で罪悪へと疾走しようとも。
〝レオス・カラックス〟が描いた初のカラーフィルムは、赤・青・白のトリコロールカラーを基調に色彩鮮やかに表現されている。
『ボーイ・ミーツ・ガール』と比較すれば単純明快な物語に描かれ、孤独感に悩み自らの居場所を模索し迷走する〝アレックス〟の姿を〝ドニ・ラヴァン〟が上手く演じている。
透明感の中に小悪魔的な雰囲気を醸し出す〝ジュリエット・ビノシュ〟は『存在の耐えられない軽さ』が最も好きだが、〝レオス・カラックス〟が彼女の魅力を1番分かっていたような気がする。
〝アレックス〟は〝レオス・カラックス〟の分身でも有る..★,