ジャイロ

汚れた血のジャイロのレビュー・感想・評価

汚れた血(1986年製作の映画)
3.6
思い出が生々しすぎて

どうにも気持ちの整理がつかない

独特の間と夜の明滅が強烈に目に焼き付く。光と影。男と女。

レオス・カラックスのアレックス3部作の第2弾

SF?ノワール?青春映画?

致死率51%のウイルスが蔓延する近未来のパリを舞台に、愛が疾走する…

ジュ・テームを夢の中に持っていく女、ジュリエット・ビノシュ。若い。実に若い。でも言っていることが難しすぎて私には理解できませんでした。

一度見たら忘れない顔、ドニ・ラヴァン。彼も言っていることがよくわからない。

その愛は重い、ジュリー・デルピー。重さを受け止めてくれる人と出会えなかった不幸。捨てられるなんて許されない。バイクでも振り切れないほどの彼女の追跡には、少しだけ恐怖を感じました。

フランス人の恋愛観って独特ですよね。正直セリフが難しくて私にはよく分かりませんでした。でも一方通行の愛、それなら分かる。せつないですよね。この映画は、ドニ・ラヴァンの一方通行の愛をたっぷりとじっくりと観せられます。愛に追われながら愛を追う、アンナの肩透かしを何度食らってもめげないアレックス。そりゃあ走りたくもなりますよね。車もひっくり返したくなりますよね。分かる。

電話線が切れるんじゃないかってヒヤヒヤしたり、スカイダイビングでヒヤヒヤしたり、大胆な人質にヒヤヒヤしたりと、結構ヒヤヒヤさせられます。

疾走する愛か…

この映画の凄いところは、本当に愛が疾走するんです。デビット・ボウイのモダン・ラヴをバックに疾走する所なんかは踊り出すんじゃないかってぐらいのダンスでしたし、クライマックスでは愛が三つも疾走する。バイクの方は疾走しすぎて失踪するんじゃないかって心配しましたし、展開が読めなくて気が気ではなかったです。ラストの疾走は3倍速ぐらいかな。なんかこう、よく分からないけど凄い。伝説の疾走、いや滑走でした。ガリヤ人の血がそうさせるんですかね?う~ん、難しい…

あと

ハレー彗星の設定、いる?