tricken

DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマンのtrickenのレビュー・感想・評価

3.4
この1983年の時点で (1) 戦闘機のモニタのコンピューティング表示の演出 (2) 後の庵野秀明作品の土台となるカメラワーク (3) 特撮的巨人の動きに対するオタク的なこだわり が揃っており、強度がある。話を観るのではなく当時の関西芸大クラスタの映像制作パフォーマンスを確認する目的で観た。このバージョンの完成までの経緯を明確に理解しているわけではないが、確認しておいてよかった。

ただし、この作品がわざわざ『シン・エヴァンゲリオン劇場版』配信と同時に観られるようになった背景を知らずに鑑賞してしまったひとは、確実に呆気に取られることだろう。1980年代初頭の庵野秀明およびその後のガイナックス・DAICON FILM周辺の人脈とその初期活動に関心がなければ、「作品の体を為していない」と判断しても仕方のないところではある。これが無料で観られたことは、個人的にありがたく思っているけれども。
tricken

tricken