カント

こわれゆく女のカントのレビュー・感想・評価

こわれゆく女(1974年製作の映画)
3.6
TSUTAYA発掘良品。
「こわれゆく女」と言うタイトルより「こわれゆく夫婦」にした方が良いのでは?

ブルーカラーでヤンキー気質の旦那と、躁で統合失調の妻。絶対に旦那ニックの恫喝が、妻の病状を悪化させている。現代でさえ、統合失調症の人を理解してあげるのは大変なので、当時の状況で優しくしてあげられないのも無理はない。

▼1974年当時、精神病はあまり細分化されてなくてストレンジとか、クレイジーとか、イカれてる、の一言で片付けられてしまう。

▼ジャンセンさんの子供を預かる時、ジャンセンさんの前で白鳥の湖「瀕死の白鳥」を子供達が踊ってバタバタと死ぬふりするシーンがシュール。

▼刑事コロンボでお馴染みのピーター・フォークの「ウチのカミさんが…」のセリフを聞いたら、この奥さんを思い出してしまいそうだ。

▼情緒不安定な妻を演じたジーナ・ローランズの熱演がすごい!
他にも彼女の主演「グロリア」は、ジャン・レノの「レオン」の元ネタになったと言われる作品。※私、個人的に「レオン」は北条司のシティハンターを元にしていると思っています。
本作では従順で影の有る妻を演じたジーナですが「グロリア」では、ギャングに立ち向かうカッコいい姐御を演じています。
本作より「グロリア」の方が面白いです。
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