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幻の湖のHKのレビュー・感想・評価

幻の湖(1982年製作の映画)
3.0
東宝50周年記念作品(にしてカルト映画)。原作、監督、脚本は黒澤明や黒沢組出身の監督ともに様々な名作映画の脚本を手掛けて来た橋本忍。キャストは南條玲子、北大路欣也、長谷川初範などなど

滋賀県の雄琴でトルコ嬢をしている尾坂道子。彼女はパートナーである犬のシロと共にマラソンをすることが趣味で会った。彼女は葛篭尾崎で謎の笛の音を聞きそれを気にしていた。ある日、シロが何者かによって殺されてしまう。復讐に燃える彼女は、単身捜査して犯人を殺そうと決意する。

時代が追い付かない。人類には早すぎた稀代の迷作。わたしはこの映画を真面目に見るのをやめました。DVDで観てたので英語の勉強したりご飯食べたりしながら見ました。そのおかげかダメージは少なかったのですが、やはり何も残らないのかもしれない。

邦画ってよく人を走らせますが、恐らく一番走らせてる印象を残すこの映画。中盤と終盤のマラソ…逃走劇は最早緊張感もまるでなく何とも言えない展開。終盤に至ってはあまりにもシュールすぎて笑ってしまいました。

挙句ぶっ刺した後にロケット発射という、とんでもない超展開に捧腹絶倒。腹筋崩壊とはこのことか。一体この映画で伝えたいことは何だったのだろうか。

後半に入ってからのお市の回想シーンはほぼ飯に集中していましたが、あそこを真面目に見ていたら精神抉られていたでしょうね。本当に適当に観ていて良かったです。なんで邦画ってあんな冗長な会話があるんでしょうね。

しかし、敢えて言うなら一番の見どころは終盤ですね。本当にあそこは笑えます。心情描写まで丁寧に台詞で説明させるという暴挙。いや敢えて快挙といいましょうか。あそこまでお客に丁寧な演出久しぶりに見ましたね。滅茶苦茶笑えました。

邦画の脚本家の中では一番の大御所ともいえる橋下忍さんだからこそ、あんな説明台詞だらけの展開になってしまったのだと思うと、なんともやるせない。

もうちょっと短ければもっと良かったかもしれません。
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