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ニーチェの馬のchsyのレビュー・感想・評価

ニーチェの馬(2011年製作の映画)
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神の作った世界の終焉の物語。
6日間で終わる。
少しずつ、生き血を抜かれるような苦しみ。
なんの抵抗もできない。

常々馬や牛などの家畜に感情移入すると辛いだろうなと感じていた。
ニーチェのような頭のいい人はそうすべきでない。感受性が鋭すぎて自分の心を痛めてしまう。
生命のそれぞれの運命。
その不条理は太古の昔から賢者の憂鬱だったことだろう。
星の導き、哲学、宗教、来世観など発生の由来。
賢者はいつの時代もいつの間にか説明責任を持たされる。人々がなぜと問いながら苦しむ姿に耐えられないから。
この物語に賢者は現れず、導いてくれる人を求めることもない。なぜと問うこともしない。
人間が諦めたときこそが終焉なのかもしれない。
諦めが、最後の火種=生命の火を消してしまうのだわ。

でもね…生のじゃがいもはやっぱムリ。
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