ニーチェの馬の作品情報・感想・評価・動画配信

「ニーチェの馬」に投稿された感想・評価

murashin

murashinの感想・評価

2.0
早稲田松竹にて鑑賞

作中殆どの時間は農夫とその娘、飼っている馬を淡々と描くことに費やされる。

親子は荒野の貧しい小屋で寝起きし、嵐の中欠かさず水を汲み、茹でたじゃがいも1つを貪る生活を送る。
嵐は止むことなく、最後には世界は光を失う。

監督はこの映画を通して何を描きたかったのだろうか。
個人的に、嵐の中繰り返す単調な生活や光を失う世界は、人が老い、死に向かっていく様を暗喩しているように感じた。

確かに生きることは時に苦しく、単調な作業の繰り返しかもしれない。
しかし、そればかりではないはずだ。

あえて美味しく食べる工夫もせず、ただ茹でたじゃがいも1つの生活をする必要があるだろうか。
なぜ、2人きりの同居生活で、あの様に無味乾燥なやり取りしか生まれないのだろうか。
一緒に暮らすただ1人の同居人であれば、お互いを思い遣る温かい言葉の1つもないのだろうか。


この作品の世界観はあまりに悲観主義に囚われていると感じた。
いとうA

いとうAの感想・評価

2.9
風を窓から眺める父娘と、毎日無意味に画面を眺めて過ごす自分が重なって見えたような気もしなくはない。長回しでもカメラがわりと動き回るし、風がすごいカッコいいけど、4日目ってでた瞬間まだ半分くらいなのかと思って絶望的な気持ちになった。
とーり

とーりの感想・評価

4.0
母さん、私は愚かだ --- シンプルさの中に深さがある。妥協なく大胆でいて忘れ難いほど美しいモノクロの圧倒的映像美と何処か不穏な音楽または吹き荒ぶ風の音。淡々と一つのことを繰り返す、一見同じような日常の積み重ねにも意味と奥行きを感じる長回し。登場人物は父娘の殆ど二人、水汲み、着替え、馬、着替え、食事みたいなルーティンのワンセットで1日約30分。食欲なく反応乏しい馬の世話に、食事は熱々ホクホクのジャガ芋を手で割って食べるスタイル(舞台1889年)。ダークなトーンに映像的かつ詩的で哲学的。一挙手一投足に目を向け丁寧に描き切る忍耐強さから来るような力強さ。それ故に本作、引いてはタル・ベーラという作家主義はもしかすると普段私達が見ている映画体験の多くあるいは殆どからは断絶されたように孤高なのかもしれぬ(とりわけ所謂"ハリウッド"のそれとは)。去年映画館で7時間超の『サタンタンゴ』を見て以来のタル・ベーラ作品、あのトラウマ(?笑)とカタルシス再びかと思っていたら尺こそアレに比べると一瞬みたいなものだが遠からずだったかも。いや、一見した表層のプロットはこちらの方が更に輪をかけるようにシンプルか。2012年キネマ旬報ベスト・テン外国映画ベスト・テン第1位らしく「あ〜分かる、キネ旬好きそう」と納得。

「食べねばならん」
@早稲田松竹

主演はほぼ2人。腕の悪い父親とその娘。嵐が吹き荒ぶ外の世界にポツンとある小屋で2人暮らし。隣には馬小屋もあり、年老いた馬がいる。
って設定なんだけど、その前日に観た「スピリッツ・オブ・ジ・エア」とほぼ一緒。彩りが鮮やかだったスピリッツとは対照的なモノクロの世界。

その2人の6日間を圧巻の長回しで捉えた黙示録的な作品で、ひたすら繰り返される日常行為が徐々に弱っていき、死の暗い影が生活を覆っていく様を観客は目撃する。

驚いたのはこの上映会に親に連れられて小学生くらいの兄弟が来ていたこと。彼らはこの作品を観て何を感じたのか、ぜひ聴きたかった。
Sim

Simの感想・評価

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スーホの白い馬と混同してて、なんとなくニーチェの馬は白馬とばかり思っていた。
キングオブポテトムービー
HappyMeal

HappyMealの感想・評価

3.8
すごいなこれは…
早稲田松竹…朝一番に並んで「1番」ゲット。。娘さん役は「サタンタンゴ」の あの女の子なんだね。
「なにが起きてるの」「分からない」
あー…必見。。
65 2020/2/9 早稲田松竹

広場で鞭打たれる馬を泣きながら抱いて発狂したニーチェの話に触発されて描いたその後のお話。

働かなくなった馬、吹き荒ぶ風、井戸が枯れ、火種が消え、無口な父娘の生活はなす術もなく破綻へ向かう。
チェロの音色、崩れゆく砂の城を静かに見つめるような映像が美しい。
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