吃音の人は意外と多い。本人が辛いのは勿論、家族も自分を責めて苦しい。原因がはっきり解明されてないからだ。本人は何故うまく話せないのかと自信喪失し、家族は自分達のせいなのかと自分を責める。(この映画の家族はそうでもなかったようだが)
特に日本の取り組みは遅れていて、吃音症の子供への支援も市町村によって違う。映画を見ながら、そんな事ばかり考えてしまった。
原因が分からないのだから、これといった決定的な治療法もない。ローグが英国王のスピーチに常に寄り添ったように、その場凌ぎの方法しかない。しかし、ローグに出会えた英国王は幸せだ。滅多にそんな出会いはないからだ。
平民ならスピーチなどしない職場を選べるが、王には逃げ場がない。王様も人の子、人間なのだな、としみじみ思った。吃音の夫を心底愛している王妃や、子供達の暖かさが心にしみた。