EDDIE

英国王のスピーチのEDDIEのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
4.0
何かを成し遂げたい、成し遂げなければならない。そんな人々に勇気を与える素晴らしいドラマ。ジョージ6世とライオネル・ローグの2人の関係性が凄くいい。

第83回米国アカデミー賞作品賞を受賞した本作。超有名だし、前から観よう観ようと思いながら、なぜか手を出していなかった作品。
そういえばあらすじも大して把握してなかったので、イギリス国王が素晴らしいスピーチの数々で国民に勇気と感動を与える物語だと勝手に勘違いしてました。
そう、そもそもこの物語の主人公アルバート・フレデリック・アーサー・ジョージ(コリン・ファース)は、吃音障害を抱えており、人前で話すことが困難だという前提があったのです。
そして、この作品は男同士の友情、いやそれ以上の強固な関係性を嗜むものになっています。
もう1人の主要キャラ、ローグを演じるジェフリー・ラッシュがこれまた素晴らしい。私も彼のことはちゃんと認知してなくて、パイレーツオブカリビアンシリーズにもずっと出てらっしゃった方なんですね。
アカデミー賞主演男優賞を受賞したコリン・ファースに対し、助演男優賞ノミネートで終わってしまったジェフリー・ラッシュ。しかし、個人的には主役以上に存在感があったと感じました。

イギリス国王になる男をいきなり「バーティ」という愛称で呼び、無作法が重なり腹が立って帰りかけたアルバート。最悪の初対面から2人の関係性に鉄、いやダイヤモンドのような固い絆が出来上がっていく模様を見るのがまた心地よくて。
あらすじにも載っている第二次世界大戦開戦時に国民を勇気付けるスピーチを披露する、そのクライマックスの感動はこれまでの過程を観ていたからこそ味わえるものなのです。
そしてスピーチを終えた後のローグのひと言。最後まで先生として見守っていたのがわかり、そこでニヤリとしてしまいました。

物語としては、吃音症により何度もスピーチで失敗し、何度も悲嘆に暮れるアルバートの姿を見ることになります。ただ、彼の国王として逃げられない境遇、やらねばならない状況から自身の障害を理由に弱音を吐けないこと、そしてやりきる姿。そのメッセージ性を受け取ることで、我々は勇気をもらえます。

人生において一度は観ておいて損はない映画です。


ムービープラス録画にて鑑賞。
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