Qちゃん

英国王のスピーチのQちゃんのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
3.8
やっと観たコレ。豪華キャストですなー!

アカデミー賞主演男優賞取ったコリンファースのジョージ6世、すごい見応えあった。

ご本人を存じ上げないので似てるかどうかは分からないが、元々やや気弱で温厚な人であろう彼が、兄や父親にコンプレックスを抱えて、吃音症に悩まされ、自身への自信の無さと裏腹に膨れ上がっていく自分の役職の重さに押し潰されそうになっている姿がとてもリアル。

言いたいことが沢山あるのに、普通誰でもできるはずのただ話す、それだけのことができない自分への怒りともどかしさと腹立たしさ、絶望感、そしてそれこそが求められてることなのに、それができない自分に押し付けられる国王という象徴的な職務への恐怖まで、彼自身の演技と演出で、端々で丁寧に描かれている。

以前、私的ショボい映画の「私の愛した大統領」のレビューでも書いたけど、
諸々の差別が今以上に横行する時代に、しかも、国家の団結と対外へのアプローチのために、より強いリーダー像を求められる戦時下において、吃音の障害を持ちながら国王を務めるということは、本当に本人にとって恐ろしい重圧だったと思う。

国王という役柄上、表立ってはそんな激しく感情を露わにできない国王が、グッと緊張感を持つところ、本番を前に、聴き入る聴衆を前にプレッシャーを感じるところなどが、グンと本人付近にクローズアップで迫るカメラワークや聴衆の長回し、歴代の王の視線を感じる演出などで、観客がかなり国王の気持ちに寄り添えるようになっている。

てか乳母の虐待の話にはギョッとしたんだけど。王室ですらそんな事起こるの!?怖いわーほんと。不憫すぎてちょっと涙出た。

ジェフリーラッシュの言語療養士、本当にこんな人いたのか。。すごいな、国王相手に。映画観てる時は、彼に対する国王や女王の態度が結構不遜だと感じることもあったけど、考えてみたら生まれてこのかた王族として敬意を持って扱われることを当然として生きてきた人だから、これは彼のやり方を受け入れた国王の器が広いんだろうね。ジェフリーラッシュらしい、紳士的ながらも飄々としたキャラで、彼が出てくると場がユーモラスになって、国王が喚いていても観ていて比較的落ち着く。

チャーチルがまさかのティモシースポール。言われてみれば似てる、かも?いつも卑小な役のイメージが強いが、さすが英国有名俳優、ちゃんと貫禄ございました。

国王の情けないイケメン兄ちゃんがガイピアース。笑 似合ってるから。久々に観たな。私の勝手なイメージなんだが、ガイピアースは出演本数の割に当たり作を外すことが多い気がする。特に主演作は😅脇役だけど本作は大当たりでよかったね。
Qちゃん

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