えのき

英国王のスピーチのえのきのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
4.0
もし今吃音の王が出てきたら世界は受け入れられるのだろうか。

第二次世界大戦前のイギリスを舞台に吃音を持つジョージ6世がスピーチに望む物語。
終盤20分のスピーチに臨む緊張感はリアルタイムで体感しているようだった。
また、物語を通じて主人公の心情描写が丁寧で、吃音の苦悩が痛いほどに伝わった。

ただ登場人物たちに関して主人公の妻を除いて全く魅力的に感じられなかった点が残念だった。
皆刹那的で高圧的。行動に理念や信念を感じられない場面も多く、こういうものなのかと眺めるしかなかった。

ある意味等身大の人物像があるようにも感じられ、それはそれでいい点なのかもしれないけれど、先日鑑賞した「ローマの休日」といささか対比をしてしまった。
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