BOB

拳銃魔のBOBのレビュー・感想・評価

拳銃魔(1949年製作の映画)
3.9
ジョセフ・H・ルイス監督の代表作である傑作フィルム・ノワール。

拳銃に異常な執着を見せる殺生嫌いの若者が、サーカス団員であった凄腕女性ガンマンと恋に落ち、拳銃強盗となる。

♪"I'm laughing on the outside
Crying on the inside
'Cause I'm so in love with you"♪

拳銃と愛に狂う若い男女の犯罪逃避行劇。先日鑑賞した『夜の人々』と同様、『俺たちに明日はない』の先駆け的作品のように思われる。二人だけの世界に入り込んでしまった盲目的なカップルは、虚しく儚く、文字通り泥沼まで転がり落ちていく。

40年代の映画らしからぬダイナミックかつスピーディーなカーアクション(車内から撮ったショットとテンポの良いカット割りが効果的)、ワンカット長回しの銀行強盗シークエンス、深く白い霧に包まれた沼地を舞台とするラストシーンがハイライト。

バート&ローリー。拳銃と弾丸のごとく、切っても切り離せない運命共同体。正直者だが優柔不断なバートと、金と自由を得るために犯罪に手を染めるようバートを唆す"ファム・ファタール"ローリー。ヒロイン・ローリーを演じたペギー・カミンズが輝いていた。40年代のフェイ・ダナウェイといった感じか。

冠👑と呼ばれるクレイジーな銃撃ショー🎯にヒヤヒヤさせられた。

・脚本には、ノンクレジットでダルトン・トランボが携わっている。

"Two people dead, just so we can live without working!"

"Bart, I've been kicked around all my life, and from now on, I'm gonna start kicking back."

"It's just that some guys are born smart about women and some guys are born dumb."
"Some guys are born clowns."
"You were born dumb."

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