ぽち

長崎ぶらぶら節のぽちのレビュー・感想・評価

長崎ぶらぶら節(2000年製作の映画)
3.8
今まで観た映画のデータを検索したら吉永小百合主演作を一本も観ていなかった。

今作を観てなぜ日本を代表する女優と呼ばれるのか、サユリストと呼ばれる熱狂的なファンがいるのかが理解できた。

今作では愛八の晩年40代後半~59歳までを当時55歳の吉永が演じているのだが、何と言う魅力的な女優だろう。
愛八、古賀はあまりに美化されたキャラで人間味が無さ過ぎるのだが、そのマイナスを全て跳ね返すぐらいの吉永の演技と輝きは脅威だ。

これだけ綺麗なのだから若さ、美しさを維持する努力はしているのだろうが、私に見えたのは「その年齢に合った美しさ」だ。
肌の奇麗さやシワの無さで誇示する美しさではなく、55歳の女性の「美しさ」「魅力」であり、男性の私でも「こんなふうに歳をとりたい」と思わせる、演技から滲み出る人柄だろう。

全シーンが魅力的だが、終わり近くで一人ご飯を食べている所に花月からの使いが来て「おるよ~」と返事をするところがなぜか凄く印象に残った。

映画作品としては人物の掘り下げが足りなかったり、過剰な演出などが時代を感じさせるが、2時間吉永だけを眺めていても十分楽しめる作品だろう。
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