かろ

エデンの東のかろのレビュー・感想・評価

エデンの東(1954年製作の映画)
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ずっと双子の間にいる彼女アブラの移り変わり方が人間の普遍的なあり方というか、結局人間って刺激を求めるしそういうものに惹かれるし、生き物な感じするし、生き辛くなってしまうのは今の(きっと昔も)世の中でみてもアロンのような人なんだよな…。アロンの最後を思うとやるせない。
あと双子の2人観てると(特に子供においては)愛されてるかどうかって本当に重要な部分で、良くも悪くもそこから2人に降りかかる残酷な側面を見た感じがした。

映像では影が特に印象的だったと、(解説版のほうでも説明があったけど)時折り斜めになるアングルが面白い。特に父子の会話シーンで多く観られる。
ジェームス・ディーンの幼さや若さゆえの鋭さ、内面に抱えた渦巻いたものが表に出てくる感じとかが入り混じる演技も凄いと思う。
ていうか双子2人ともかっこよすぎ。

レンタルDVDで視聴したけど、ナレーション(というか副音声?的な)付きでほぼ全編が観れる"音声解説版"も付いていて、話者の主観的な部分多かったけどそっちも面白かった。
解説の中で、キャルはティーンネイジャーの象徴で、父親アベルはティーンが反抗する社会全体や
文字通り親世代への反抗の象徴にもなっていて、世代間のギャップを描いている、という話が出てきててなるほどな〜と思った。
この映画が公開された1950年代っていわば戦後すぐで、日本もそんな感じだっただろうし世界的にもこの空気感漂ってたんだろうな…。
それと身の回りにある物(タバコとか花とか)を手持ち無沙汰に触ってシーンに現実味をもたせる「メソッド演技」という言葉、初めて知った笑
単調な会話シーンとかで良く使われるみたいです。

自分の中に留めておきたい映画。
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