ボブおじさん

エデンの東のボブおじさんのレビュー・感想・評価

エデンの東(1954年製作の映画)
4.0
小学生の時に初めて部屋に貼ったポスターはブルース・リーだった。中学生になるとその隣にもう一枚ポスターを貼った。リバイバル上映でこの映画を見てジェームズ・ディーンに憧れたからだ。

エリア・カザンに発見されて、この映画1本でスターの座を掴んだ彼は「理由なき反抗」「ジャイアンツ」に出演した後、交通事故でこの世を去る。デビューからわずか半年後のことだった。

キャリアの全盛に亡くなったスターは枚挙に遑がないが、彼は全盛期を迎えることもなく、わずか3本の映画に出演し1955年24歳の若さで永遠の星となってしまった。2作目の「理由なき反抗」遺作となった「ジャイアンツ」が公開される前のことだ。

もし生きていれば、少し上のポール・ニューマンやマーロン・ブランド、同年代のスティーブ・マックイーンらと競い合って50〜60年代のハリウッド映画界を引っ張っていたのだろうか?

彼らとの共演も見てみたかったし、彼らが演じた役のどれかをジミーが演じていたかもしれないなど想像は尽きない。

本格デビュー作のこの映画の原作は、旧約聖書の〝カインとアベル〟を原典に書かれたジョン・スタインベックの3世代にわたる壮大な物語。その最後の部分を拡大して社会派カザン監督が現代人の葛藤を描いた。親の愛が欲しかったシャイで反抗的な青年役がディーン自身の魅力と重なり、青春の象徴として今でも心に残る。L・ローゼンマンによる映画史に残る主題曲も忘れらない。

〈あらすじ〉
温厚な兄だけが父に可愛がられ、冷たくされる自分の出生に疑問を持った、大農場を経営するトラスクー一家の問題児キャルは、彼らを捨てて出奔した母の行方を突きとめ、予想に反する答えを聞く……


劇場で鑑賞した映画を録画DVDにて再視聴。