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エデンの東のakrutmのレビュー・感想・評価

エデンの東(1954年製作の映画)
3.4
ジョン・スタインベックの同名小説をエリア・カザン監督が映画化した作品。ジェームス・ディーン演じる青年キャルは、敬虔なクリスチャンで厳格な父親から愛されていないと悩むとともに、自分のアイデンティティを求めて、未だ会ったことのない母親に会いに行く。さらに、父親に好かれている兄のアーロンには何かと反抗心を燃やすとともに、兄の婚約者であるアブラに惹かれていく。ストーリー的にはよくある話(というか、こちらが先と言うべきか。でも本作に影響を受けた映画は〇〇というような記述がよくあるが、それらは結構いい加減。似たようなストーリーなどいくらでも考えられるし、むらみやたらと間テクスト性など持ち出す批評に意味はない)だが、ジェームス・ディーンの出世作として、映画史の中で重要な映画である。

ジェームズ・ディーンを映画で見るのは初めてであるが、素直な感想としては、彼のファンには申し訳ないが、お子ちゃまが背伸びしてカッコよく振る舞っているようにしか見えなかった。写真とかで見るジェームズ・ディーンは結構カッコいいだけに、かなりがっかり。役柄として田舎の青年なので服装とか野暮ったいのは仕方ないにしても、あまり背も高くなさそうだし。ジェームズ・ディーンの再来と言われたルーク・ペリーのほうがずっとカッコいいぞ。でも、豆の先物取引で儲けたお金を父の誕生日にプレゼントしようとして拒絶され泣き崩れる有名なシーンは、確かに素晴らしかった。父親に抱き付きながら泣くというシーンはジェームス・ディーンのアドリブだそうである。
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