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タロットカード殺人事件のRのレビュー・感想・評価

タロットカード殺人事件(2006年製作の映画)
4.5
あれ。ぼくウディアレンあんま好きじゃないと思ってたけど結構好きかもしれへんわ…全然評判良くないけどこれ好きよ。ウディアレンの絶頂期のアクの強すぎる作品群が少々苦手なので、より最近のちょうど良いマイルド感がちょうど良いのかもしれない。僕の大好きなひとつ前の傑作マッチポイントとはエラいガラッと雰囲気が違って、本作は軽快なコメディ。死神の舟に乗って三途の川を渡ってるトップジャーナリストのジョーは、同乗してる女から、英国の巷を騒がせているタロットカード連続殺人の犯人の正体を聞く。それを誰かに伝えたいと、舟を下りて河を泳いで、現世に戻り、ファントムとして出会うのがアメリカから英国に来てるジャーナリスト志望の学生サンドラ。シドという名のマジシャンのショーで、ステージにあげられて、手品の箱の中に入った時に、サンドラはジョーと出会います。で、ジョーから授かった情報をもとに、シドも巻き込んで、調査を始めると、何と犯人は、貴族のスーパーイケメン、ピーターという人物らしい。真相を突き詰めるためには具体的な証拠を探さねばってことで、スカーレットヨハンソン演じるサンドラが、ID偽ってお色気作戦でピーターにお近づきになるんやけど、これがあまりにイケメンナイスガイ! 確たる証拠も出てこない上、ピーターに恋されるしで、思わず恋に落ちちゃうサンドラさん。けど、こっちの正体を明かすわけにいかない…どうなることやら…って流れ。この皆さんが織りなす会話劇がとにかく魅力的。シドは監督のウディアレンが演じてて、ヨハンソンと息ピッタリ、親子のフリしてパーティーに潜入するときとか、シドが次から次にアホなジョーク飛ばしてサンドラが呆れたリアクションとるやり取りむっちゃ楽しいやん。ピーターを演じるのは圧倒的なゴージャスさとすばらしいブリティッシュイングリッシュとスワーヴな紳士っぷりで、ものすごい煌めきのヒュージャックマン。そりゃー惚れるわ! で、この謎解きミステリーから始まる階級差ロマンティックコメディがとってもスウィート! 凡庸な平民女性にとっては最高の夢のまた夢! 地下室の秘密などで時にハラハラ、恋にワクワクしながら見てると、最後、えっ!何かちょっと何とも言えない、とっても皮肉な終わり方をします。特にウディアレンにとってね笑 このマイルドなシニシズムめっちゃ好き! いいですねー。映像も始終キレイでオシャレやし、音楽もキュートで、全体の軽いテンポ感が素晴らしい。いや、でも、うん、評判悪いのも分かる。確かに。話がランダム過ぎる。けど、肩の力の抜けたいいランダムさやと思うけどなー。結構もう一回見たいなーと思ってしまってるくらい好き。いやー。ウッディアレンの近年の作品、もっと見ていこーっと。ついでに全盛期のも! あ、ちなみに一番ワロタのが、私はヘブライ系の家庭に生まれたんやけど、歳をとるにつれて…のとこ🤣
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