心中天網島の作品情報・感想・評価

「心中天網島」に投稿された感想・評価

いやあ、いいもん見させてもらいましたわ。近松門左衛門の心中ものを、篠田正浩監督がモノクロで撮りきった傑作。これぞATGならではの尖ったアート作品です。

舞台美術は粟津潔(たぶんタイトルバックのタイポグラフィも)、音楽は武満徹。

演じているのは生身の人間(岩下志麻、中村吉右衛門)なのですが、原作が人情浄瑠璃なので、画面の端々に「黒子」が登場し進行をサポート。ときおり、俳優たちがまるで人形のように見える瞬間があります。このアイデアは素晴らしい。篠田正浩の最高傑作じゃないかなあ。

心中ものとはいえ、たんなる純愛ではなく、女の狡さも、男のだらしなさも描き、ふたりが世間の義理に縛られて、だんだんと追い詰められていく姿には感情移入できます。

ただ正直言いますと、惚れた腫れたの死ぬだの殺すだのをえんえんと見せられ、しまいにはお腹いっぱいになる感じは否めませんでしたが...w

しかし岩下志麻の死体は、しみじみと美しいなあ。
scarface

scarfaceの感想・評価

3.8
すごいすごい。こんな時代劇観たことない。素晴らしい心中もの。ATGだから、篠田さんだから、こうなったのか。これがNETFLIXでちょちょいと観れてしまう時代というのが恐ろしい。いや素晴らしいことか。ネトフリは結構ATG観れますね。
Yoko

Yokoの感想・評価

4.0
享保5 (1720) 年、近松門左衛門が手掛けた浄瑠璃の映画化。
妻子を持つ身である”紙屋治兵衛”と女郎”小春”の壮絶な愛。

今作が公開された1969年は『男はつらいよ』の第一作目が完成されたころでもあり、映画をカラーで作ろうと思えば作れる時代。
まあ技術的にはカラーで出来るものの、時代背景との調和や作り手の狙いによって白黒映画になる作品はアザナヴィシウス『アーティスト』然り、そう珍しいものではない。
しかし、今作は白黒でしか出せない不気味さと奇天烈さ、これらが何よりも刺激的。
まさか浄瑠璃を原作にした実験映画があったとは思ってもみなかった。
「映画を観た」というよりも「人形劇を観劇した」といった感慨があるが、でもやはり「映画を観た」という気分も半々で謎の消化不良にさいなまれる。
おそらく綿密に計画されたであろう移動を心掛ける黒子。
床や壁にびっしりと書かれた呪詛を思わせる文字。
そして提灯の蝋燭を消した瞬間に訪れる魔法の時間。
女郎という身でありながら妻子を持つ男なった女と、健気に夫の身を案じるいたいけな妻の二役を演じる岩下志麻は凄い!
色とりどりの環境の中にある白粉と比べて、白黒映画の白粉はそれが持つ魅力が損なわれる先入観があったのだがなんてことはない。
この現象は新発見。
まさにお化けのような映画だった。
近松門左衛門原作の心中物語を中村吉右衛門、岩下志麻の主演で映画化、監督は篠田正浩

3度目の鑑賞、先日曽根崎心中を見て気になってまた見たくなった、2回目は一年ちょっと前だと思うけど案外覚えてないもんですね、新たな発見、おどろき、感動がありました、いい映画は何度見てもいい、見るたびに評価が上がるみたいな、そんなものを味わいました

映画と舞台を合わせたような演出、至る所で黒子が出てきたり、劇中のセットにしても独特の世界観を持つ、これがすごいセンスがいいんです!なんか日本の美って感じ!

出演者もみんなすごく良い!主演の2人は言うことなし、滝田祐介、小松方正なんかもすごく印象的だし

あとは曽根崎心中とすごい似ていたから調べてみたんだけど、元ネタは違う事件みたいね、ただ両方見たあとだとなんか比べちゃうところがありますね
なんだろう、この作品はここまで舞台風に、演出過剰にしていながら自然なんです、演者はあくまで自然に物語を演じていながら、作り手による雰囲気作りみたいな、なんかうまく言えないけどそんな感じ!そしてそれがモノクロ作品で日本の古典芸能である歌舞伎的な演出だからマッチしてるのかなぁ

とにかくほぼ満点に近く面白かった!
様々な思いが込み上げてきて、もうどろどろによろよろにボロッボロにならながら死地に向かう2人の姿が一番印象的です、そんな姿でもなんか美しいんだよね
Katongyou

Katongyouの感想・評価

3.6
一人二役やってる岩下麻志さん演技が凄いなって思いました。音楽が鳥肌モノ。。墓場からの心中するまでの流れが素晴らしいー。
初めて観たときは随分衝撃を受けたものだが、今回はそうでもなかった、いや、いつ観てもいいと思わせる何か、繰り返し観たいと印象付ける何かが欠けていると思った。

いかにも「アート」な作品だが、どこか上滑りで外面的な感じがしてならない。
torisan

torisanの感想・評価

4.3
斬新!美しいアート作品なのに、話の筋は義理人情の心中ものなので難解さは全然ないという不思議な作品でした。黒子ってこんなに状況を細やかに演出出来るんですね。不勉強ながらちょっと衝撃がありました。しかし治兵衛さん、あんなに出来た嫁さんがいいながら、いくらなんでも駄目男すぎたなあ。
liverbird

liverbirdの感想・評価

4.5
Japanese new wave!これは相当面白い!!!久しぶりに時間があっという間に過ぎた、、、映像が毎ショット興味深くて、のめり込んでしまいます。人形浄瑠璃の舞台装置とか黒子をあえてミゾンセンの要因として使っている点もすごく新鮮で、それに加えて映像が制止したり映画的な編集もたくさん凝っていて、かなり刺激を受けました。あのオープニングクレジットは本当にかっこよかった!!
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