コーカサス

17歳のカルテのコーカサスのレビュー・感想・評価

17歳のカルテ(1999年製作の映画)
3.8
自殺未遂を起こしたスザンナは精神病院への入院を余儀なくされ、境界性人格障害=ボーダーラインと診断される。
様々な病を抱えた患者たちとの入院生活で、自らの自己像を再形成していくスザンナ・ケイセン本人の自伝映画だ。
静のウィノナと動のアンジーと云う表現が正しいかは扨措き、とりわけアンジーの芝居は観る者を釘付けにする。
重いテーマでありながら、少女たちの青春映画として仕上がっているのも良い。
17歳の地図は複雑で、ボーダーラインの線引きはとても難しい。
のちに作家として才能を開花させるスザンナは、多感な時期に思いもかけずにその線を越えたに過ぎない。
生きている限り年齢は関係なく、我々の足元にもその線は引かれている。

192 2019