かっこいい。『運び屋』と全く逆のいかついおじいちゃん。でも最後の、誰も傷つけない潔さは共通でイーストウッドのキャラクター。
退役軍人の肝の据わり方。美しい音楽。人間味溢れる多人種の描写。悪口を言いながら笑い合う美容師とのやりとり。
かわいいラブラドールレトリバー。
イーストウッドの作品は大人の絵本みたいだ。分かりやすく、ノーブルで、端的で、ウィットが効いていて。
音楽が美しく、画も美しい。
手を広げて蜂の巣になって倒れるイーストウッドは、己の死に方を選び、死を使ってタオたちを守っていて印象的だった。
作品としてはルンルンしている『運び屋』の方が気軽に楽しめて好きだが、ズシンとした価値を感じるのはこちらの方か。
監督自ら主演をはる北野武スタイル、演者と裏方両方をやり遂げるイーストウッドシリーズ、さすがっすねえと、海老蔵ばりに感嘆。