ジャッキーケン

グラン・トリノのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
5.0
オールタイムベスト級の中のオールタイムベスト!
この映画で僕は映画で涙を流すということを知り何年ぶりに鑑賞
やっぱりこの映画は最高以外の何物でもない素晴らしいという言葉では足りないくらい素晴らしい語彙力崩壊映画

クリントイーストウッドの生涯最高の演技
これはもう映画史上最高と言うくらい最高
朝鮮戦争で朝鮮人を兵士として何人も殺し年老いた今なおその記憶を鮮明に覚えている。妻に先立たれ、家族から厄介者扱いされ今にも老人ホームに入れられそうになるしついには家族に見放される
ある時モン族のタオがギャングの儀式として愛車グラントリノを盗もうとすることでモン族とイーストウッドの交流が始まる
アジア人に嫌悪を示し偏見の塊であるイーストウッドがモン族ギャングを庭から追い出すことで一生恨み続けるであろうアジア系民族モン族から英雄として讃えられる
国籍は違えど朝鮮戦争に参加したイーストウッドは強制的にモン族と交流しなければならないのだがこの打ち解け、異文化を理解していく過程が丁寧で退屈させない
単純なのに引き込まれて夢中になる

タオとイーストウッドの交流
朝鮮戦争時代にまだ10代の子供に降伏されても銃を突き付け撃ち殺していた過去を持っていたイーストウッドがまだ10代の少年タオと交流をする皮肉な展開は面白い
タオが盗もうとしたグラントリノを掃除する皮肉
アジア人に対してのヘイトが溶けていき家族になっていく
血が繋がっている家族とは絶縁なのに人種が違うモン族とは家族のようになっていく
これは血の繋がっていない脱走犯ミッチと人質の少年が親子のようになっていく大傑作「パーフェクトワールド」に似ている

黒人ギャングに絡まれてるタオの姉を救う世界一かっこいいハンドガンの出し方に感動する。あれは誰だって真似したくなるに決まってる

タオを一人前の男にすべくイーストウッドが人生そのものを学ばせていく
イタリア人散髪屋とイーストウッドの会話は皮肉とジョークに満ちていて口は悪いけど固い友情で繋がってるのが分かる
それをタオに学ばせようとするシーンは最高に好きだ
僕らもこの映画を見てイーストウッド流男の美学を学ぶことができる
全オスはイーストウッドを見習え!

どっかのレビューでこの映画は後味が悪い、バッドエンドって言われてるのを見たけど俺はそうは思わない
タオの人生を守るためだと考えると最良の策だと言えるしカーボーイしていた荒野の用心棒の有終の美と言える
何度見ても泣ける
走り抜けるグラントリノと名誉勲章はイーストウッドの魂そのもの。

イーストウッド映画最高傑作
オールタイムベストの中の最高傑作
生きてるうちに1度は見るべき映画
最高の男泣き映画