あおや

グラン・トリノのあおやのレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
4.7
印象的なラスト。
タオを乗せて走るグラントリノ。
流れる音楽とともにとてつもない余韻に包まれながらエンドロールを最後まで観ていた。

妻に先立たれ、息子達からも見放された偏屈で偏見を持った老人ウォルト。そんな老人が隣家のアジア系家族に心を開いていきストーリーは展開する。年齢も人種も異なるウォルトとタオ。二人の師弟関係ともよき友ともとれる関係性はとても微笑ましく、人生の大先輩であるウォルトがタオに男とはなんたるものかを教えていくシーンはかなりお気に入り。イーストウッド作品は何気ないシーンも含めすべての描写に無駄がないなと改めて感じた。そして衝撃的なラスト。死に様をもって自らの生き様を示したウォルトという男の姿は心に刺さるものがあった。覚悟を決めた男のスーツを新調し髭を整えるシーンもまた味があって大好きなところ。役者イーストウッドの集大成でもあるこの作品ではどこか劇中のウォルトと俳優イーストウッドが重なってみえてより感情移入してしまうところがあったな。イーストウッド、あまりに渋い。あまりにかっこいい、温かくて最高の作品。

追記:
今作の舞台であるミシガン州の片田舎に行ってきたが、街並みが映画で観たそれと全く一緒で感動。
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