やわらか

グラン・トリノのやわらかのレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
4.0
恋もない、派手なアクションもない(あるけど)、ある意味華のない年齢のキャラを主人公に置きながら、質の高い映像・台詞・音楽で構成されていて、ちゃんと一本の映画として楽しめる。
 
ただこの作品の場合、単体としてのストーリー云々というより「クリント・イーストウッド」という稀代の俳優を幕引きするような作りになっているのが一番印象的だった。個人的には「企画モノ」というカテゴリかな。「ハリーが最後に撃つ銃はそれか!」って言う。
 
逆に言えば、普通の映画と比べると、ちょっと引いた視点というか「メタ映画」的な感じもあるような気がする。ま、そう言う意味では、実際は『俳優業を締めくくる映画』ではなくて、「『俳優業を締めくくる』をテーマにした映画」と捉える方が正しいのかもしれない。(その後も出とるし)
 
ちなみに、同時上映の「ミスティック・リバー」では、登場人物が白人と黒人だったのが、この映画にはアジア系が入って来てアメリカ国内の状況が変わっていったことも感じられる。
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