愛国主義おじいちゃんちの隣に、ある日モン族の一家が引っ越して来たからもう大変!!…というドタバタコメディではもちろんなく、見応えある奥の深いドラマでした。
そらそうだ。イーストウッドだもん。(この信頼感)
ちなみにタイトルの「グラン・トリノ」とはフォード製のイカス車の名称で主人公は元フォード社の整備工。
愛車はもちろんグラン・トリノ(1972-1976)。
趣味はピカピカに磨いた愛車を眺めながら飲む缶ビール(大量)。
そんな大事な愛車を盗もうとした隣地モン族の若造と、あるきっかけをもとにしてベストカンフーみたいなことになるというストーリー。
あるレビューを読んだが、この愛国主義者の主人公は古きよきアメリカを象徴しているという。
この考察でもって本作を鑑賞すると、象徴たる男がおかれている状況と問題点、そして解決策として提示されたエンディングなど、ベストキッドどころではない非常に興味深い作品になる。
さすが「アメリカンスナイパー」のイーストウッド。
アメリカという国についてだけでなく、男とは、また年老いた者はこう生きるものだとの強烈なメッセージを感じさせられた。