Machiko

グラン・トリノのMachikoのレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
2.0
ストーリーテリングは素晴らしい。全く飽かせることなくラストまで観客を引っ張っていく手腕すごい。

でもなんかあまりに綺麗に終わりすぎというか、収まるべきものが収まるべきところに収まりすぎというか......。なんか「白雪姫」とか「シンデレラ」みたいな子供の情操教育向けの絵本読んだような後味というか、勧善懲悪ヒューマンストーリーでゴテゴテに固められている印象、悪い意味で。

愚かさや歪さがもっと沢山散りばめられていたら納得したかなあ。

なんかね、人間あんな綺麗に死ねねえぞ、って思っちゃうんですよね。
もうこれは私の好みと思想でしかないけど、家族やファミリーを失って孤独に死んだり(ゴッドファーザー)、馬鹿にされた挙句呆気なく撃たれたり(イージーライダー)、小便漏らしてバスで死んだり(真夜中のカーボーイ)、なんか、人間って、そうやって惨めに死んでいくものなんだっていう価値観があるんですよね。私の中に。世の中あんな美しくできてねえぞって。あんなん夢物語の幻想だぞって。好きな人はそこにこそ魅力を見出してるんだろうし、意図もわかるけど、拒否反応しかなかった。
じいさんがタオと心を通わせていく一連のシークエンスも、いいんだけど、まあありがちだし。犬はいい演技してましたね。
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