妻に先立たれた孤独な老人が、隣に越してきた東洋人少年との交流を通して心を開いていく話。
頑固爺さんと移民の少年という取り合わせも、話自体もありがちではあるけれど、これが中々面白い。
前半のほのぼのパートも適度に笑えて面白いし、隣家の移民家族と距離を縮めていく過程が丁寧なのも良かった。次々と運ばれてくる料理に困惑するイーストウッドの表情が最高だった。
弱々しい少年に男たるやを伝授するその姿にもどこか哀愁が漂っていて切なくなった。
後半のシリアスパートもイーストウッドらしいエッジが効いていて心が揺さぶられた。
落ちもなんとなく予想はできたけど、やはりイーストウッドの存在感は凄い。
並みの役者では出せない渋さや説得力が感じられた。
遠い身内よりも近い他人。現代社会で失われつつある人とのつながりの大切さを思い出させてくれたような気がする。