白人以外の多様な人種が住むようになった街デトロイトに住み続ける、
1950年代を引きずる元軍人でマッチョで超頑固なポーランド系アメリカ人のおじいちゃん。
朝鮮戦争で心にトゲが刺さった元軍人、というステレオタイプの人かと思うとそうじゃない。
ちょっと乱暴なのにどこか優しさが滲む、前時代的で荒っぽくはあるけど、漢気あるアメリカ男。
そんな彼が人生の後半、むしろ終わりかけで出会い友情を結ぶのがモン族の少年というところが、
イーストウッドの訴えたいところなのかと。
何があってお隣さんに心を開いたのかは、少しわかりづらかったけど、
お姉ちゃんを通じ、不器用同士、ウォルトとタオが心を通わせていく様は見ていてほっこりする。
白人のお友達がいろいろ出てくるけど、アジア人からみたら白人といえど、ポーランド系にアイリッシュ系にイタリア系、様々。
白人の中にもまた、違いがあって差別もあるんだろうな。
ウォルトの誇り、アメリカの誇り、グラン・トリノが渋くてかっこいい。