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コナン・ザ・グレートのHKのレビュー・感想・評価

コナン・ザ・グレート(1982年製作の映画)
3.5
ジェームズ・アール・ジョーンズ追悼。
本作ではシュワちゃん演じるコナンの宿敵で邪教集団の教祖タルサ役。あのヘビ男ですね。
シュワちゃんもジョーンズもロン毛姿なのは貴重かも。

本作を観るのは30~40年ぶり。ご存知シュワルツネッガーの初主演映画で出世作。
1930年代に書かれた世界的に有名なヒロイック・ファンタジー小説だそうですが、日本ではそれほど馴染みも無く、本作で初めて知った日本人も多いんじゃないでしょうか。
私も本屋のハヤカワ文庫なんかの棚で見かけたことがあった程度(ちなみに私はコナンと言えば本作とは無関係の宮崎駿の『未来少年コナン』がまず頭に浮かぶ世代)。

原題は“Conan the Barbarian” 邦題が“野蛮人”だと動員に影響しそうで避けたんでしょうね。
作品としてはCGが無い時代のファンタジー大作としては頑張っていると思います。
シュワちゃんはこの頃はまだ完全にボディビルダー体型でセリフも少なめ。
『ターミネーター』の悪役でブレイクするのはこの2年後。

J・E・ジョーンズを最初に知ったのはTV洋画劇場で観た『ボクサー』あたりでしょうか。
デビュー作は『博士の異常な愛情』で、昔学祭で上映(『未知への飛行』と連続上映)したときにジョーンズを知らない友人が、B-52の機内のシーンでダースベイダーの声がすると言っていたのを思い出します。
ちなみにジョーンズがベイダー卿の声をアテたのは本作の5年前の『スター・ウォーズ』と2年前の『帝国の逆襲』、本作の翌年が『ジェダイの復讐』ですから、本作は『スターウォーズ』シリーズ真っ只中の作品とも言えます。
本作のラストでジョーンズがシュワちゃんと対峙したときのセリフ「おまえは私の息子だ」は偶然か楽屋オチか・・・(思ったよりベイダーの声に寄せてませんでしたが)

監督は『ダーティーハリー』や『大いなる勇者』などの脚本を経て、この時既に『デリンジャー』『風とライオン』『ビッグ・ウェンズデー』など名作を撮っていたジョン・ミリアス。
今回再見し、あらためて黒澤明作品(とくに『七人の侍』)の影響が随所にあるのを再確認。
シュワちゃんを死神から守る方法は『耳なし芳一』がヒントと監督談。まんまでしたが。

女戦士のサンダール・バーグマンは監督が『オール・ザット・ジャズ』を見て抜擢。
本作のコナンの盗賊仲間を演じているのは役者じゃなくミリアスのサーフィン仲間だとか。
病気降板したスターリング・ヘイドンから交代したのがマックス・フォン・シドー。
全体のナレーション担当のマコ岩松は魔法使いとして物語の後半から参戦しています。
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