くまちゃん

コブラのくまちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

コブラ(1986年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ベトナム帰還兵であるランボーほどの悲哀はないが、やってることはほぼランボー。
何も考えずに楽しめる80年代のマッチョイズムが爆発した娯楽映画。

細かな設定や演出で情報過多な現代の映画と比べてもいたってシンプル。
スタローンが肉体と銃器でカルト集団を駆逐する。
もともとビバリーヒルズ・コップのために用意した脚本がボツになり、スタローン版ダーティハリーとして完成した今作。

ずっと爪楊枝を加えてるコブレッティ。
中盤りんごを食べてる場面があるが、おそらくそれが歯に挟まるのだろう。
健康意識が強く、見た目によらず喫煙もしない。ヘルシーな食べ物には食物繊維が多く、繊維質の食べ物は歯に挟まりやすい。

電話するストークを怪しみつつも目の前でケチャップに溺れるポテトに怪訝な表情を隠せないコブレッティ。流石細かな表情も巧み。

イングリットの運転するトラックの荷台で銃器を手繰るコブレッティ。
運転は荒く、後続車の攻撃を避けるため蛇行するトラック。しかし荷台のコブレッティは振り落とされるどころか軸が安定している。筋肉だけではなく体幹も化け物級だ。

コブレッティと対峙するナイトスラッシャーは余裕の表情を見せる。
「お前に自分は殺せない」と

論拠はコブレッティが警察官であり、殺人は法律外のため。
いやいや、これまで散々コブレッティ殺してきてますけども。
機関銃で市街戦繰り広げてましたけども。
熾烈なカーチェイスしてましたけども。
ドヤ顔でトンチンカンなナイトスラッシャーに同情を禁じえない。

当時イングリットを演じたブリジット・ニールセンとスタローンは婚姻関係にあった。
夫婦共演1作目。まぁすぐに別れてしまったが。

ブリジット・ニールセンは「レッドソニア」でタフなイメージがあり、体格も180cmを超え、スタローンより高く、全くか弱く見えない。
狙撃から守ろうと身を呈すコブレッティからはみ出るイングリット。
的が大きすぎる。なのに弾が当たらない。
カルト集団だから射撃素人ばかりなのか。

ロッキー・バルボア、ジョン・ランボー、バーニー・ロス、レイ・ブレスリン、数々の愛すべきキャラクター、筋肉アイコンを生み出してきたシルベスター・スタローン。
マッスルクリエイティブの中にマリオン・コブレッティが居たことを我々は忘れてはならない。

同じ年に公開された「トップガン」だって続編が制作される時代だ。
今作の続編が叶わぬ道理はない。

エクスペ4の次は是非、コブラの現在の活躍を手掛けてほしいものだ。
くまちゃん

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