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多羅尾伴内 鬼面村の惨劇のドントのレビュー・感想・評価

多羅尾伴内 鬼面村の惨劇(1978年製作の映画)
3.7
1978年。ムチャクチャだけどだからこそ面白い! 山奥の旧家に絡んでハイスパートで起きる連続殺人に、七つの顔を持つ変装名探偵・多羅尾伴内=藤村大造(小林旭)が挑む。
本質としてはヒーロー映画なのだが、旧家/見立て/財産争い/火傷の男などの金田一シリーズをトレスしたような筋書きが水と油のように噛み合わず、ミステリとしても物語としても大事な部分を2割くらいスッ飛ばしながら猟奇と悪趣味が88分を爆走する。ガンガン人が死にまくる他方で妙に堂に入ったショットが彩りを添えつつも全体に異様に軽い仕上がり。そのアンバランスさが大変にテイスティ。
真ッ赤な夕焼けの中の水車惨殺死体→白塗り暗黒舞踏になだれ込むOPから歯車が狂ってていてものすごい。これぞ怪作と呼びたい。お気に入りは、小林旭演じる多羅尾伴内が小林旭演じるタクシー運転手に変装して小林旭の歌う主題歌のカセットをかける場面。無茶にすぎる。たのしい。細かいことは気にするな!
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