茜

多羅尾伴内 鬼面村の惨劇の茜のレビュー・感想・評価

多羅尾伴内 鬼面村の惨劇(1978年製作の映画)
3.7
多羅尾伴内シリーズ初めて観たけど面白いではないですか。
横溝正史シリーズのような不気味さとミステリー要素、そこに組み込まれた突拍子もないアクションには思わず笑ってしまう。
多羅尾伴内は変装名人で七変化する私立探偵っていう設定も映像として観るとバレバレでギャグみたいだけど、これはこれで嫌いじゃない。
途中にかかる歌謡曲「私の名前が変わります」で盛大に正体を明かしているのもおふざけが過ぎる。

オープニングで全身白塗りの人達がやたら性的な踊りを披露していたり、水車に括りつけられた死体、顔に火傷を負った画家など、不穏な演出も素敵。
そこに変装探偵とアクションっていう要素を取り入れる事で、金田一耕助とは違った色を出しているのかな。

難を言うなら、この目まぐるしい映像に気を取られてしまって肝心のミステリー部分があまり頭に入って来なかったという本末転倒さ…。
犯人どうこうよりも、次はどんな突拍子もない演出が飛び出てくるのかが気になって仕方ない(笑)
でも気持ち悪いオープニングからは想像も出来ないコミック調な展開には度肝抜かれたし、和テイスト満載の不気味な世界観も堪能出来る満腹盛りで楽しかった。
茜