だいごろー

廃市のだいごろーのレビュー・感想・評価

廃市(1984年製作の映画)
3.5
Amazonプライムにて鑑賞

大林宣彦監督作品。ふるさと映画の名手である大林監督が今作で舞台にしたのは福岡の柳川。水の街で渡し舟に乗って移動するシーンが印象的。タイトルにあるように死にゆく街を舞台にしてる故に、全編に渡ってどうしようもなく廃頽的な雰囲気が漂う。
主人公の山下規介がとても大林作品的な人物で笑う。やっぱり尾美としのりしかり、童顔の青年が好きなのだろうか。

なおゆきの葬式の場面で、揺らめく水面が反射した光が遊んでる様は美しかった。
最後まで鳴りを潜めていた尾美としのりが駆け出すシーンにグッときてしまう。街では止まっていた時計が動き出すラストは示唆的で良い。