シュウ

ブルーサンダーのシュウのレビュー・感想・評価

ブルーサンダー(1983年製作の映画)
3.8
とりあえず悪い奴は爆殺してしまえ!という映画。
30年も前だけど、ここまで景気のいい映画が撮れたのも時代ゆえなのか。

オリンピックを目前に控えた1983年のロサンゼルス。
ベトナム戦争を生き抜き、現在は市の警察航空隊でベテランパイロットとして勤めるフランク・マーフィー(ロイ・シャイダー)は、新人の相棒のリチャード・ライマングッド(ダニエル・スターン)と共にパトロールに出ていた。
新人の教育がてら夜の街をパトロールしていたところに事件の一報が。
事件は市議会委員長が自宅で強盗に襲われるというものだったが、事件の一部始終を見ていたマーフィーには何か引っかかるものがあった。
しかしそのまま事件は単なる襲撃事件として解決となってしまう。
一方でマーフィーは新型ヘリコプターのテストパイロットとして任命されていた。
新型ヘリコプター”ブルーサンダー”はテロ対策の警備強化を目的として秘密裏に配備されるということだったが、その計画にはマーフィーとはベトナム戦争から因縁深い相手であるコクラン大佐(マルコム・マクダウェル)が関わっていた。


最新鋭のヘリコプターを使って映画を撮ろうなんて発想は、少なくともこの21世紀じゃ出てこないだろうけど、そのヘリコプターにはひたすらロマンが詰まってる。
サーモグラフィーに指向性マイク、警察のデータベースにアクセスできるコンピューター、消音飛行装置、パイロットの視線と同期するガトリングなど、ぼくのかんがえたさいきょうのヘリコプターみたいなてんこ盛り具合。
これを秘密裏に配備しようなんていくら何でも無茶が過ぎるとは思うけど。
そしてそんなヘリコプターを勿体ぶらずにロサンゼルスの上空でド派手に大暴れさせる粋な計らい。
そりゃあCGなんてあるはずのない時代だから、プロップを作って飛ばしたり模型を使ったりするしかないんだけど、だからこそ迫力のある映像が見られる。
目下の市民の被害なんて敵も味方も1ミリも考えてないあたりも、80年代のアクション映画らしい。

そんなヘリコプターを使って繰り広げられるストーリーは、意外にも政治スリラー。
ブルーサンダーを取り巻く軍や警察トップの陰謀を阻止するためにベテランパイロットのマーフィーが戦うというストーリーだけど、ややラストがお粗末なのは否めない。
アクションシーンは文句なしにスリリングなのに、ストーリー面では中盤あたりまでは結構いいのに、ヘリに乗り始めたら突然そんなの全部かなぐり捨てる勢いだから笑ってしまう。
ライアングッドマンとか敵のコクラン大佐とか結構いいキャラしてたとは思うんだけどなあ。
まあアクションシーンの画力で押し切るような映画だから、実際観ててもあまり気になるようなところじゃないんだけどね。

観終わってから自分の中に何も残らない映画だったなあとは思うけど、80年代の映画らしいっちゃらしいね。
片方の耳からもう片方の耳へ適当に聞き流していくのが正しい楽しみ方なんだろう。