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ダウン・バイ・ローのBeSiのレビュー・感想・評価

ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)
4.9
お次は「ダウン・バイ・ロー」

舞台はニューオリンズ。ザックとジャックが、それぞれ警察がらみの罠にひっかかってOPP刑務所の同じ監房に入れられる。そこに不思議な仲間、イタリア人旅行者のロベルトが加わって、脱獄からどことも知れぬどこかへ。そこから3人は、地獄とも天国ともつかぬ冒険の旅を重ねてゆく......。


まだオムニバス形式が定着していない頃のジム・ジャームッシュ初期三部作。しかし、その中でも本作は群を抜いて素晴らしいと思います。オフビート感はもちろんなのですが、終始コメディチックな雰囲気が、より一層に面白さを際立たせます。

全くもって無実なのに、刑務所に入れられてしまい絶望する2人の元にやってきたロベルトによって、何もかもが変化していく様子には、観ているこちらも笑ってしまう。人間性や性格が違うから最初入ってくる時にすんごいオドオドしてたり、少しは刑務所生活に慣れたかなと思ったらザックとジャックの名前何回も間違えるし、ストレス発散で叫び出すし。でも、この凸凹でどうしようもなさそうな関係は、いつしか仲睦まじいものへと発展していくのです。

元DJとチンピラとイタリア人。顔も、名前(一部類似)も、職業も、生まれた場所も違う3人が分かり合える瞬間ほど、最高なものは無いですね。個人的に一番好きなのは、刑務所の監房の中で3人で大声で叫んで踊り狂うシーン。よくよく考えたら凄くないですかこれ?ロベルトの存在がいかに周りを和ませるかがよく分かります。そして、3人の友情は刑務所を脱走してからも相変わらず。むしろ深まったかな。まあ衝突することも相変わらず。

おおぉニコレッタ登場!!!お2人はのちに実際に結婚して夫婦となったわけですが、それを知っていると、☺️☺️☺️ってなります。イチャつく2人を傍らから見てるザックとジャックのショットめっちゃ好きだな。ちなみに、本作で、本人役で演じているのはロベルトとニコレッタの2人です!👍


本作は、ジムの作品の中でも「ナイト・オン・ザ・プラネット」と同じくらいに万人ウケしやすいかと思います。オフビートが苦手な人でも観やすい(多分)。親しい兄弟のような間柄の人たちの数ヶ月、いや永遠の友情を描いた素敵な映画です。隠れた傑作ですね。1回で良いから見てほしい。



I scream!!! You scream!!! We scream!!! For ICE CREAM!!!!!!!!!!!!!
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