Netflixで配信が始まったジム・ジャームッシュの初期作品。その3本目は、公開当初も大好きだった「ダウン・バイ・ロー」。
これまでの2作品に出ていたジョン・ルーリーに続いて、本作では同じくミュージシャンであるトム・ウェイツを起用。ニューオリンズでトラブルを起こした2人が収監される話なのだが、45分間引っ張ったところでロベルト・ベニーニが登場すると、一気に世界が豊かになる。名作「ライフ・イズ・ビューティフル」よりも10年早い段階で彼を起用していたのも凄いし、画面に映った瞬間から画面内の雰囲気を変えてしまう存在感に圧倒される。
それまで険悪だったジョン・ルーリーとトム・ウェイツ。同じ房にロベルトが入ってきた事で、奇妙な三人の連帯が生まれる。ジャームッシュ作品としては台詞の量が多いのも特徴で、声を出して笑ってしまうシーンがいくつもある。公開当初は気が付かなかったけど、今回の鑑賞で「雨に唄えば」のオマージュ・シーンを発見した。他にも古い映画のオマージュがいくつも含まれていそう。
なお、今回配信された3本は全てプロジェクターを使って120インチ・サイズで鑑賞した。自宅の壁に大写しされるモノクロ映像は、酔いしれるほどに美しい。