R

ドラえもん のび太の南海大冒険のRのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

1998年の「劇場版ドラえもん」シリーズの第19作目。

監督は「さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌」の柴山努。

あらすじ

小説「宝島」を見て、宝探しに憧れたのび太は、ドラえもんのひみつ道具「宝さがし地図」によって、宝島の場所を突き止めたことで、ジャイアン、スネ夫、しずかと共に宝探しの大冒険に出発する。

Netflixにて。

昨年の「のび太の宝島」は個人的に劇場版ドラえもん作品において、1、2位を争うくらいに好きな作品となったわけだが、そんな作品よりも前に「海賊」をテーマにした作品があるのをご存知だろうか?

それが98年公開の「のび太の南海大冒険」である。

個人的には長い劇ドラの歴史の中でもここら辺は興行収入を抜きにすると不遇の時期であり(藤子氏が亡くなったのも確かここより前だったような…)、作品としての評価もイマイチな印象を受けるが、個人的にはこっちも好き!!

なぜなら、「宝島」が冒険寄りなのにたいして、こちらはモンスター映画としての楽しみがあるから!!

まぁ、それは後述するとして話としては割とシンプル。のび太が図書館で「宝島」の小説に感化されたことから大海原に乗り出し、冒険が繰り広げられるという点はお馴染みのノリ。

というか、話的には、子ども向けのノリがキツイ。

出てくる海賊たちも海賊にしては、みんな毒にも薬にもならないというか、所謂「いい子ちゃん」ばっかりでアウトローな感じは全然しないし、何より途中で出てくるピンクのイルカの「ルフィン」が格別にダサい!!あと、海賊キャラやのび太が「ルフィン」「ルフィン」言うんだけど、その発音というか語感が…いやぁダサい。

あと、「宝島」に比べると海がテーマなのにシチュエーションがのび太が流された島=敵の本拠地なので、そこまで壮大な感じがしないのも大きなマイナス点かなぁ。

けど、上述したように、出てくるモンスターの多様性で大きく加点ポイントがあるのも事実。

今作のヴィランであるMr.キャッシュとその腹心でありマッドサイエンティストであるDr.クロンは改造生物を作って、秘密裏に高額で売りさばく商売人のため、例えばクモとハチが合体した「クモバチ」だったり、「焼き芋」と「芋虫」が合体した「焼き芋虫」だったり(「焼き芋虫だ〜」ってそもそも海賊が焼き芋わかるんかいって突っ込みたくなるが)、果ては海坊主などなど、オリジナリティ溢れるモンスターたちが次々と出てくるので、それだけで楽しい。

加えて、そんなモンスターの中でも最強生物であるラスボスが旧約聖書に登場する海の魔物「リヴァイアサン」という点にも作り手のモンスター愛が伝わるチョイスとなっている(多分、FFよりも前にこれを観てリヴァイアサンという存在を知ったキッズも多いのではないだろうか?)。

まぁ総括すると、お話部分は褒められたものじゃないが、モンスター勢を愛でるという意味では、個人的には外せない1作、「宝島」と比較して観ると、そっちが如何に傑作だったかを改めて実感することができる作品なんじゃないかな。

あと、今作は折角の江守徹を全然活かしきれてない!!ということにも最後に触れておきたい!!もったいない!!
R

R