けい

機動警察パトレイバー2 the Movieのけいのレビュー・感想・評価

3.9
4DXでみるという奇行を犯しつつ見てきました。
この映画ってここまで社会派だったっけ。以前の自分はどんな気持ちでこれを見たのか思い出せない。

パトレイバーという題材を使っているだけで、東京とその生活の幻想、そして戦争を描く。

平和とは、戦争とは、なんともその境界があやふやになりそう。社会の正しい在り方とは画一的には決められないとだろうなあ。

昨今話題らしい、軍事力配備ががっつりメインテーマでした。

ただ、全体をみてそれがどうより、自分がどう在りたいかを選択するしかない、ね。

他のユーザーの感想・評価

ダメだ…ずっと小難しい話をされて終始眠かった。
この映画のメッセージ的に主人公を大人達に変えたのはわかるし、終盤戦いのために集まってくる野明達はかっこよかったけど…
狙いが曖昧な敵に、ずっと期待してたのに全然出てこないパトレイバーに、色々重なって眠かった。

絵がすげぇ上手くて、みんな顔がかっこよかった。

2回目
前回自分はただ睡眠不足で眠たかっただけで、この映画が眠かったわけではなかったことがわかった。本当に謝りたい。
おじさん2人の会話が面白いお陰で風景画だけがずーと流れても全然大丈夫だった。ラストは、終われ!って思ったとこでちゃんと終わってくれたし、雪や鳩?を使った演出が最高だった。
劇パトは全部おもしろいな。
正義って難しい

正義と一口に言えるモノではないな〜と感じました

正義の裏にあるストーリーを知らなければ理解することは出来ない
2002年、横浜ベイブリッジ爆破!たった一発のミサイル攻撃で首都東京が戦争状態になるって話☆

この状況を作り出したのは柘植行人。1999年に東南アジアでPKO部隊として派遣された陸上自衛隊レイバー小隊隊長。このとき現地ゲリラとの戦闘で発砲許可を得られずに自身を除いた部隊全滅の憂き目にあっている。それから日本国内と世界との平和感覚のギャップに疑問を抱いた彼は、行方をくらましある準備を開始する。

『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』を鑑賞するにあたり、本作の鑑賞は必須であると判断し、久々の鑑賞。やっぱ、面白い。会話劇がとても楽しいです。押井守らしい回りくどいセリフが堪らないです。

OVAの『アーリーデイズ』第5話、第6話の『二課の一番長い日』でも描かれた甲斐冽輝によるクーデター事件の変奏曲とも言える本エピソード。
今回の首謀者・柘植行人は、首都東京を戦場にし平和ボケした日本人の目を覚まさせことが目的。
これにより、警察組織の権力拡大を画策する上層部の思惑も手伝って、警察と自衛隊との間に醜い主導権争いが勃発。混迷した状況に突入していく。

様々な人々の思惑に翻弄され、利用され、孤立していく南雲と後藤。しかし、バラバラになっていた旧第2小隊の面々を招集し最後の任務、そして反撃に打って出ます。燃える。

国を憂い自分の正義を信じて行動を起こす、とても美しく見栄えして共感も出来きると同時に、それにより世界を破壊するとても危険で怖い事だと改めて実感出来る一本(^_^)☆



○キャスト○
南雲しのぶ:榊原良子
後藤喜一:大林隆介
荒川茂樹(陸幕調査部別室):竹中直人
柘植行人:根津甚八
篠原遊馬:古川登志夫
泉野明:冨永みーな
太田功:池水通洋
進士幹泰:二又一成
山崎ひろみ:郷里大輔
シバシゲオ:千葉繁
榊清太郎:阪脩
松井刑事:西村知道
佐久間:仲木隆司
ブチヤマ:立木文彦
進士多美子:安達忍
海法:小島敏彦
山寺:大森章督
まる

まるの感想・評価

4.1

このレビューはネタバレを含みます

レーダーに映るただの光点に手に汗握り、会議室で叫ぶ後藤隊長に唸り、「平和」が虚像の戦争によって脆く崩れ去る瞬間を目の当たりにして、もっと見ていたかったとうそぶく野郎に腹を立てる。
パトレイバーは終盤にしか出できませんが、だからこそフォーカスされるストーリー、キャラクター達に痺れます。
事件は現場だけじゃなく管制塔や会議室でも起こっているんです。昼行灯後藤隊長の名言炸裂でそれだけでも一見の価値ありな一本。
メインは人間ドラマでアクションではないので、前作同様、4DXには向かないと思った。

今回の鑑賞で、ウゴウゴルーガに出ていた“ミカンせいじん”を発見(笑)

本作は面白いけど、観終わった後、ドッと疲れる。

私には、TV版のゆる〜いノリが丁度良い気がする。
OP 視覚操作モード
整備庫 外光による強めのブルーム
射撃訓練「このボケ」の瞬間、魚眼
エレベーター真上からのアングル
高速の車窓良い
モニターの数による強調構文
モニターを観るチラつく眼鏡
夜首都高 繰り返される街灯の演出
赤い輪郭光
ガラス/鏡面の用いた人物配置
コンビニ、監視カメラアングル
戦争を演出する
rin

rinの感想・評価

4.7
押井守成分が大爆発している。アーリーデイズ〜劇場版1までの暖色系の雰囲気は消え失せ、鈍色のナイフのようなピリつきと鉛玉のような重さの空気の中にストーリー全編沈み込んでいる。恐ろしい緊張感。

作画も写実的でヌルッヌルしている。

竹中直人の演技が素晴らしい。

パトレイバーとして面白いかと言われたら違うかもしれないが、映画作品としては傑作の部類に入る。
Yuto

Yutoの感想・評価

5.0
劇場版「機動警察パトレイバー」第2作にしてアニメシリーズの完結編


不正義の平和と正義の戦争


変われない。変わりたくない。
気付かない。気付かぬフリをする。
テレビの向こうで誰かが傷つき、殺し合っている、この現状だけを維持したい。
だからこそ、眼前でいざ何かが起こっても、それに気付くのが遅すぎる......。

平和と戦争。幻想と怨念。現実逃避と責任転嫁。そして、警察と自衛隊。

全てが後手に回り崩壊する文民統制。

ことは1発のミサイルから始まる。


初見は(特に意味もなく)サウンドリニューアル版を鑑賞。前作とは打って変わって非常にシリアスな作品に。

1作目も良かったですが、個人的には本作の方が遥かに好きです。予備知識は特にありませんでしたが、骨太なアニメ映画を観たいという日頃なんとなく抱いている願望にドストライクといった感じでした。押井色全開のSFアニメ映画です。

事件への対応が全て後手に回った挙句に政府、警察、そして自衛隊の関係も拗れに拗れ、遂には内戦が勃発寸前になる程緊迫した状況になりながら、尚も平然と通勤通学、不要不急の外出をする人々を写したシーンが突き刺さる。1993年の映画(劇中の設定は2002年)だが、言うまでもなくこのテーマは現代にも通づる。

結局、日本とはそういう国家であり、日本人とはそういう人種なのだと。観れば観るほど痛感させられる。今だからこそ。


パトレイバーを知らない人にも本作を強くオススメします。私自身、前作に当たる劇場版1作目以外は何も観ていないので、SFが好きなら予備知識なしでも本作は鑑賞できると思います。

2021年104本目

追記)
古いオリジナル版も鑑賞。こちらの方がさらにリアルでしたね。
パトレイバーにしては暗いけど、日本はいざという時に戦えるかって内容だからしょうがない。
スクランブルのシーンの緊張感、ヘリが橋を爆破するシーンの描写、挙げたらキリが無い程素晴らしいシーンが多い。
やっぱセル画はいい、映像に圧倒される。
何気に観てなかったのを4DXで!!

てか、最近作ったの?
て思ってしまうくらいのクオリティに、知ってはいたけど感動。

4DXで尚更贅沢に観覧できました。
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