ぺんじん

エクソシスト/ディレクターズ・カット版のぺんじんのレビュー・感想・評価

4.6
ショッキングなシーンを期待して観てたら、意外とかなり社会派だったぞ!エクソシスト!
『世界ふしぎ発見!』的なイラクでの遺跡発掘シーンから始まっていて、悪魔との闘いをとにかくスケールデカく見せようとする気迫が凄い!『恐怖の報酬』の時も感じだけど、フリードキンはロケでガンガン魅せてくる監督なのかな?(ヤコペッティ的な感じ?)
まぁイラクのシーンは冒頭だけなんだけど、悪魔に乗り移られる少女だけでは無く、神父それぞれのバックグラウンドが描かれていて、ある種群像劇的な演出になっているのは意外。じっくり人間ドラマを見せてくるのは作家主義的で時代だな〜と思いつつも、母と思春期の娘の微妙な関係が悪魔に憑かれた少女にオーバーラップしてくる感じとか、カラス神父の人間的な弱さに悪魔が付け込もうとする感じとか、キリスト教的信仰と悪魔との闘いが社会的な問題に重なってくる感じが堪らない!
悪魔の姿もチラッとしか見えないのが絶妙だし、階段ブリッジ降りのシーンとかショッキングなシーンとかも短くしか映らないのが逆に想像を掻き立てられる感じが絶妙!ただ水道水かけられただけで悪魔に憑かれた少女がウワーって叫んじゃうのはちょっと笑っちゃう…
少女リーガンの演技はもちろん凄いけど、なんといってもメリン神父を演じたマックス・フォン・シドー!イラクではあんなにヨボヨボだったのに、悪魔祓いになるとめちゃめちゃ頼もしくってビックリだし、カッコいい!この当時のマックス・フォン・シドー44歳って嘘だろ…あと刑事映画好きアピールはなんで…
そして圧巻のクライマックス。カラス神父の決断が胸に迫る…
とにかく全員が体を張りまくったアクションシーンと重厚な人間ドラマのアンバランスさがグッとくる傑作!是非!
ぺんじん

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