rollin

エクソシスト/ディレクターズ・カット版のrollinのレビュー・感想・評価

4.4
悪魔系ホラーの記念碑。
少女がロン・パールマンに変貌していくまでの記録。

冒頭、イラクでの地獄の黙示録。
この時点で既にこれから起こる事象が、近代文明や宗教体系を超越した絶望的なモノに起因することが示される。

クリスとリーガン母娘とは相対的なデミアン神父のストイックで侘しい暮らし。
“変化”によって、カソリック的道徳観に中指を立てるように、その奇行がエスカレートしていくリーガン。同じ頃、街中で母親の姿を見るデミアン神父。フレームに刷り込まれる“あの顔”。

伽倻子ブリッジやゲロシェイク、首回転といったショッキングな特殊効果もさることながら、本作の悪魔描写の斬新さは、リーガンの下ネタワードセンスに尽きる。暴力・汚物に破廉恥を加えた悪魔的三位一体によって、あ!これマジで悪魔だわ!と誰もが納得してしまうのでがんす。

そしていよいよ悪魔将軍との冷凍タイトルマッチ!!
老けメイクを施した真打ちマックス・フォン・シドーに関しては、50年くらい歳を取っていないような錯覚に陥るし、母親の声色(とフリードキン監督の脅し)によって、あれだけタフに見えたデミアン神父が動揺する様子は当然のことながら真に迫ってる。

少女のために、三人の代理父が命を落とす。これは勝利か敗北か。
マイク・オールドフィールドによる永遠に浮上出来ないような旋律がこの映画のトーンを決定づけていることは言うまでもない。
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