ピッツア橋本

デトロイト・ロック・シティのピッツア橋本のレビュー・感想・評価

4.4
“悪魔(KISS)に魂を売った少年たちのハードデイズナイト”

かつてロッカーで今は脚本家になった知人に紹介された作品。
大ヒット漫画『デトロイトメタルシティ』の元ネタでもあるらしい。


今夜、デトロイトでやるKISSのライブに行く少年たちの青春ロックストーリー。

KISSのみならずAC/DCやチープトリック、T-REXなど70年代を彩る名曲ロックをBGMに乗せながら、ライブ観たさに爆走するティーンエイジたちのパワーとガッツが最高。

彼らの最低で最高な夜になっていく過程が、スラングまみれなのになぜかとても爽やかに映像に紡ぎ出されていく。

4人の主要キャラたちが一晩でクソガキからクールな大人の階段へと駆け上がっていく様がどうにも愛おしい。

プロデューサーにKISSメンバー本人達の名前が挙がっているが、彼ら自身を自虐ネタとしてユーモア満点で神様やこの世のあれこれを小バカにする感じがロックだなあと思う。

ちゃんと真面目なメッセージ性も見受けられて、それらが痛快に胸に刺さる。

ただのKISSのファンムービーではなく、青春ロック映画として高いクオリティで楽しませてくれる一本。
ピッツア橋本

ピッツア橋本