故ラチェットスタンク

時をかける少女の故ラチェットスタンクのレビュー・感想・評価

時をかける少女(2006年製作の映画)
3.9
細田守作品
作品毎に良し悪しはあれど最終的な感想の大半は同じになる。

良い点
・自然体な人間の捉え方が上手
・画やキャラの動きが瑞々しく、美しく、生命賛歌に溢れている。
・作品全体に包み込むような温かみ
・居心地の良さと余韻の強さが異常

悪い点
・クライマックスが無駄に派手
・オチの付け方が弱い
・終盤の展開への脚本の弱さ
・物事の一面が描けない
・空想部分があまり面白くない

今作は細田監督の悪さがある程度抑えられ、良い点が結構前に出ている作品だと思います。
空想と現実の比率が丁度良く、ときめきを感じさせながらも無理のない一作に仕上がっています。

巨大な雲と綺麗な空が映し出す心の中の不安と夢
理性的なイメージと本能的なイメージが綺麗に重なっている。

二面的な人間の性質を全体通して描いているので細田守の圧倒的な洞察力が発揮されています。

キャラを引き画で撮るのにセリフや細かい動作で一切退屈させないとは恐れ入る。